大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源
とうな
私:トウモロコシの事を飛騨方言では「とうな」と呼ぶ事が一般的だが、お忙しい読者の皆様にいきなり結論、「とうな」の語源は「たう唐」+「あは粟」。ご興味ある方は以下の記事もどうぞ。
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- 方言量
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君:いくら何十年も書き続けているといっても、そういうのはうんざりだわよ。更に簡単に要約してね。
私:はいはい。要するにトウモロコシは1579年(天正7年)に南蛮船により日本に渡来した、という事がハッキリわかっている輸入食物です。然も数年であっという間に日本中に広まった(この辺りは歴史書にない)。言葉の広がりが追いつかなかったので全国各地で勝手な名前で呼ばれるようになった(この辺りも歴史書になく、方言学のテーマ)。つまりは「たう唐」「あは粟」共に深い意味は無い。不思議な国の植物という意味。飛騨には富山経由で入ってきたが、越中では「たう唐」「あは粟」これがリエゾン化して既に「たうなは」と呼ばれていた。飛騨では更に語尾のモーラが脱落して「たうな」になったというカラクリです。
君:なるほど、東西対立があったり、濃飛の対立があったり、方言量か多いというのも、うなづけるわね。
私:自力での「とうな」の語源発見は当サイト発足当初だった。今でも大変に感激したのを覚えている。隣県・富山方言では「となわ」という、とのネット情報を見つけてピンときてしまったんだよ。その後、かなりの書籍を集めたが、僕の思っていた通りだった。つまりは国民の皆様におかれましては今回の記事を信頼できる情報源として鵜呑みにしてくださっても構いません。
君:要はリエゾンだったのね。
私:そういう事。同語をご存じない方のために、例えばハルサメ春雨という日本語だが、「う」と「あ」の母音の間に「s」の子音が入る。これをリエゾンという。母音数の多い言語はリエゾン化しやすい。フランス語に多い。蛇足ながら liaison はフランス語。日本語は比較的少ないほうじゃなかったかな。従って飛騨方言「とうな」は日本語のリエゾン例としても貴重です。
君:C'est si bon (セシボン、それはすてきね)! あらっ liaison という単語そのものはリエゾン化しないのね。
ほほほ