大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム
とりたて助詞
私:山田文法に(とりたて助詞)の概念は無いが、奥津敬一郎(1974)「生成日本文法論」「とりたて詞」が着目されるようになって、なおも山田文法の範疇の下位概念として「とりたて詞」を理解しようとして現れたのが「とりたて助詞」。語の範囲としては、も・まで・さえ・すら・だって・しか・ばかり・だけ・のみ・でも・など・なぞ・なんか・なんて・こそ・くらい・は。以上、17種類。
君:きっちり17種類という事かしら。
私:きりがないので、この辺りで線引きしましょうという事かな。
君:なるほど、格助詞・係助詞・副助詞等にまたがる範疇ね。「とりたて助詞」とは、について、一言で説明してね。
私:被修飾語たる名詞をとりたてるという機能がある事。「とりたて」とはその主題たる名詞に対し同類たる他者を暗示して主題たる名詞を「限定」「累加」「独立」などに代表される様々な意味で他者と関連付けて示す文法的操作。沼田善子(2000)「とりたて」仁田義雄・益岡隆志編『日本語の文法 2> 時・否定と取り立て』岩波書店、あたりから。
君:それを一言とはいわないわよ。具体例を示してね。
私:「君も行くのか?」と文章は、二人の間で別の他者が行く事の共通認識があるからこそ成立する会話。「君が行くのか?」との決定的な違いは?
君:「君も?」は行く別の人が具体的に定まっている状態ね。「君が?」については、誰かが行くだろうとは思っていたけれど・よりによって君が、の意味があるにせよ、「君」がどなたか特定の他者をとりたてているわけではないわね。
私:おっ、いいぞ。そんな使い方が「とりたて助詞」であり、皆が普段、さりげなく自由に使っているが、諸外国語に翻訳するとか、生成文法的に記号論理的に表現するとなると、「とりたて」という概念は便利。
君:山田文法で分類する助詞それぞれに「とりたて」の機能があるかないか、で各々の助詞が二つのタイプにわかれちゃうのね。
私:それが山田文法を養護する立場。とりたて助詞の存在を認める立場だ。
君:認めない立場もあって、その場合を「とりたて詞」というのね。奥津文法という事かしら。
ほほほ