大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム
とりて副詞
私:今日の方言千一夜のお話は「とりたて副詞」。
君:なにか飛騨方言と関係があるのね。
私:いや、予めお断りしておこう。ほとんど無いといったほうがいいかな。国語の話題には違いないんだが。
君:品詞のお話、副詞の種類という事は文法ね。
私:ちょいとネット検索なさるとわかると思うが、・・「ただ」「単に」「特に」「なかでも」「とりわけ」などの副詞も、文の一部をとりたてる機能を持ち、「とりたて助詞」同様に「とりたて表現」の機能がある・・以上はAIの解答を少し、佐七が修正した。
君:「とりたて」は1970代からの新しい日本語文法概念よね。
私:その通り。奥津敬一郎(1974)「生成日本文法論」とりたて詞
君:とりたて詞には「とりたて助詞」と「とりたて副詞」があるのね。
私:いや違う。
君:あらいやだ。きちんと説明してよ。
私:「生成日本文法論」には副題があって、名詞句の構造。原著は読み始めたばかりだが、同書は全て名詞及びその修飾・被修飾関係を論じたもので、副詞は関係ありません。
君:AI君によれば・・「とりたて」を表す副詞には、「only」「even」「also」などがあります・・となっているわよ。
私:そう。日本語文法の概念として奥津先生が世に問うた「とりたて詞」だが、日本語文法の金字塔・山田文法に対するアンチテーゼなんだ。
君:山田孝雄先生は助詞の定義・分類をなさったかたよ。
私:奥津先生は山田文法に疑問を投じたという意味で評価できる。草野氏日本文法(1901)の「国語ニ特有セル語法-総主」にある「象は鼻が長い」なども有名。「は」と「が」の使い分けは文法学者の飯のタネ。三上章論文「象は鼻が長い」、現代語法序説・刀江書院も有名な著。昔からとかく物議の多い係助詞「は」なんだ。副助詞も然り。
君:そんな事はいいから「とりたて副詞」のお話を簡潔にね。
私:奥津先生の書が出版されてから、英語での表現は、という話の流れになり「only」「even」「also」が注目された。これらは副詞なので、それじゃあ日本語にも「とりたて副詞」があるじゃないか、という事で幾つが論文が出たようだ。ただし日本語文法事典には「とりたて副詞」の記載はない。国語学辞典にも。つまり学会はその存在を否定?
君:荒唐無稽な話ね。
私:奥津先生も三上先生もチョムスキーの生成文法に感化された。つまり、ガチの理系頭。
君:コンピュータ人間ね。
ほほほ