大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記

ゐどこ,がおろ,ひぐれしま

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私:「いろは歳時記」の一句、「ゐどこぬく がおろかわばた ひぐれしま」。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:飛騨方言の部分を抜き出すと、「ゐどこ(内臓)」「がおろ(河童)」「ひぐれしま(夕暮れ時)」。つまりは、子供が夕方まで遊んでいると川端の河童が内臓を抜き取るのです・殺されちゃいますよ、という意味。河童の季語は夏。芥川龍之介の命日(7月24日)・河童忌も夏の季語。川遊びといえば夏で決まりだね。
君:つまりは、川は危険であるし、ましてや夕方にはさっさと家に帰りなさい、という意味ね。
私:その通り。河童は深み・よどみに住んているので。このようなところは特に注意。
君:「ゐどこ」の語源は。
私:不明の一言で片づけるのは簡単だが、「ゐどころ居所」あたりだろうね。但し「ゐどこ」は飛騨の俚言。いまや死語。方言辞典にあるだけ。つまりは胃腸などの内臓があるべき場所という意味から始まった言葉であると推察できる。土田辞書には「腹壁ヘルニア・脱調」の意味が記載されていた。これはおそらく「ゐどころ」の多義語化(意味的発展)だ。
君:内臓を抜く、とは。
私:これは簡単。飛騨では河童が川端の人を手づかみにして、人の尻穴から内臓を引き抜くと言われている。
君:民俗学の世界ね。「がおろ」の語源は何かしら。
私:度忘れ、柳田民俗学にあったかな、これは「かわらう河郎」から来ている言葉だ。つまりは、この句の場合はオスの河童という事になる。
君:なるほどね。「ひぐれしま」は「ひぐれしな」の音韻変化よね。
私:その通り。全国各地の方言になっている。接尾語「しな」は動詞の連用形について、その時、ついでの意を表す。「日が暮れるついでに」という意味。行きしな(~しだ~さだ~しなの千年の歴史)
君:内臓を尻穴から抜き出すとは、つまりは川辺の子供が川を背に向けた瞬間に子供の後ろからさっと忍び寄るのよね。 ほほほ

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