大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

あっぽ(=もち餅)

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私:共通語「もち餅」の事を飛騨方言では「あっぽ」というが、幼児語だね。さて、餅は焼くとプウッと膨れるから、ここからきた擬態語かなと思って書いた過去記事がある。あっぽ・飛騨方言もち(餅)
君:実は「あっぽ」の語源は「あんもち餡餅」で、つまり、おはぎ、が語源なのよね。飛騨方言「あっぽ」は江戸の幼児語「あんも餡餅」の音韻変化であり、なんと江戸幕府の公文書「飛州志」に天領飛騨の代官・長谷川忠崇が記載していたのね。
私:その通り。従って「あっぽ」の語源が擬態語からという説は明確に否定される。
君:どうして佐七君がそんな過ちの記事を書いてしまったのか、当記事の目的はその検証を試みる、という事ね。
私:その通り。なにせ、ずいぶん昔から書いているからね。当初は高校生向けの古語辞典が頼りであれこれ書いていた。つまりは各種の方言資料の不足。今は書斎に大抵のものを買いそろえて、パラパラと気軽に閲覧できる状況なので、初歩的間違いというものは減ってきているのでは、と思う。
君:当時からネット検索はしていたのでしょ?
私:勿論さ。ただし正確なネット発信は少なかったし、飛騨方言の語彙の語源に興味のある人間が、今も昔も少ないね。郷里の知人の中では皆無だ。やはり、ひとりでコツコツやるしかない。今は古書、つまりは絶版、がネット購入できる有難い時代だ。ヤフオク出品を競り落とした事も何度もある。分秒を争う心理戦だね。金に糸目をつけない、という訳にも行けないしね。オークション締め切りの十秒前に百円多く提示して、土壇場で競り勝つ奇襲作戦に何度も成功している。
君:そうやって手に入れた絶版は、そりゃあ読んで頭に入るわね。
私:勿論さ。人生は真剣勝負、ってやつだ。話が戻って、だいたいね、「あっぽ」なんてのは幼児語だ。大人は使わない。「いない・いない・ばあ」のレベルだよ。擬態語かな、と思い込んでしまうと、もうこの呪縛から逃れられない。それが民間語源というもの。
君:でもよかったわね、江戸幕府の公文書が否定してくださって。 ほほほ

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