大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源
おくで
私:飛騨方言「おくで」は奥の間の意味。つまりは仏間の奥のほうにある座敷を意味し、その家では仏間に次いで最も格式高い部屋の事を指す。奥の出居(でゐ)の意味であり、全国共通方言になっている。勿論、意味は同じだ。ただし古語的には、というか、古代建築学的には、出居は寝殿造りの主人の日常の間の意味だから、方言学の出居・奥出居とは意味が異なるね。
君:方言「おくで」は全国でいろいろな音韻に分化していそうね。
私:そりゃなかなかいい感をしているね。おくのでい・おくんでい・おきんでい・おくで・おくんだ・おくだ、がある。地域は割愛、本質的な事ではないので。飛騨方言では「おくので」「まがりざしき」とも言う。大西村の我が家の親戚で、この「おくで」を屋号としている家がある。
君:屋号とは、少し謎めいているわね。
私:我が家からみても谷の奥のほうにある家なので、その辺りからの発想だと思う。
君:今日の話も平凡すぎるわね。
私:このサイトは僕の忘備録になっているが、子供の頃は祖父母は仏間が寝室だった。僕はそこで川の字になって寝た。両親は奥出居が寝室だったが、そちらでも川の字で寝た事もある。
君:あなたの気まぐれ、という事ね。
私:小学校に入学する前の事だな。小学生になってからは二階に勉強部屋があてがわれて、そこで寝た。なにせ大きい家だったから、部屋は幾つもあった。全く覚えが無いが、私が乳児の頃は、当時はまだ独身だった叔父や叔母も同居していたらしい。
君:ほほほ、わかるわよ。沢山の大人に囲まれて生きたオモチャになっていたのね。
私:うん。昔話を幾つも覚えていて、皆の前で独演していたらしい。これは祖父母の部屋で寝る時に、寝しなに祖父が繰り返し語ってくれた話を自然に覚えて、という事だったようだ。全く覚えは無いが。ひとつだけよく覚えているのがあって、別稿「ぶつ」として上梓している。当サイト開設当初の仕事だ。
君:飛騨と言えば、あの有名な民話があるわね。
私:そうも柳田國男が日本の民話百選で紹介した味噌買い橋。これは天下の柳田先生もだまされてしまった贋作だ。僕には初めからわかっていた。
君:わかるわよ。あなたの祖父・力三(りきぞう)さんからは語ってもらった事がないのよね。
ほほほ