大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源
かたうま(=かたぐるま)
私:土田吉左衛門「飛騨のことば」に「うま(=かたぐるま)」があって、おやっ、と思った。中以南との記載もあったので下呂辺りの言葉か。私の故郷・久々野は旧高山市街の近くなので、あまり聞き慣れないが。
君:おやっ、と思った理由は「かたぐるま」の語源に関して、という意味ね。
私:その通り。混交と複合に既述につき、再掲にはなるが、カタウマ肩馬とテングルマ手車が合わさった言葉だ。古語辞典に記載がある。江戸語辞典にも記載がある。つまりは肩車は語誌的には近世語であり、語源学の立場からは肩馬と手車の混交。何のことはない、飛騨方言「かたうま」は共通語「かたぐるま」の語源そのもの。
君:語源というものは何が正解なのか訳が分からない、諸説紛々の事が多いでしょ。
私:そう。上記は古語辞典情報を紡いだような話だ。堀井令以知「語源大辞典(東京堂出版)」には京都方言「かたくま」を紹介し、肩駒が語源であろうと説いている。
君:あなたはどう考えるのかしら。
私:若しかして天下の堀井先生がお間違え。『嬉遊笑覧』(きゆうしょうらん)に詳しい。喜多村信節が江戸時代後期の風俗習慣、歌舞音曲などについて書いた随筆。文政13年 (1830年) 発刊。注解書は岩波文庫(全5巻)。ここにびっしりと書かれているよ。たかが肩車、されど肩車。堀井先生は同書をご存じなかったのかも。
君:語源は江戸人を魅了したのね。今日の結論は・・肩車の語源は飛騨方言・肩馬(中古語)で決まり・・という事ね。
ほほほ