大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

いしな

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私:飛騨方言「いしな」は共通語「こいし小石」の事。古語に由来する。
君:小石ではなくて、古語「いしなご擲子」が語源ね。
私:その通り。古くからの女児の遊び。小石をいくつか撒き、その中の一つを投げ上げて落ちないうちに撒いた石と共に取り、早くとりつくした者を勝ちとする遊戯。いしどり、いしなごどり、いしなどり、いしなげ、いしなんご。
君:あら、随分と方言量が多いわね。つまり子供の遊びだからね。
私:うん、その辺の話になると、やれやれまた柳田國男民俗学の話か、とうんざりなさる読者もいらっしゃるかも。
君:平凡なお話だけにね。
私:この言葉、近世語かも。中古語の文献が無いようだ。そして、遊戯ではなくて小石そのものという意味で東国で使われるようになったようだ。江戸時代の方言辞典・物類称呼(越谷吾山)に、江戸にて手玉・東国にて石なんご・なっこ、という記載がある。
君:飛騨もそうじゃないの。
私:そうなんだよ。越谷さんは江戸の俳諧師で諸国を旅したわけじゃない。物類称呼は気ままな忘備録といったところで、資料に偏りが多いのは仕方が無い。
君:それもまた少し平凡なお話ね。
私:実は「いしなご」の語源は「いしなげ石投」という説もある。これにははっとするだろう。柳田説ではないんだけれど。
君:石投は一理あるわね。他には例えば、「いしおなご」とか。第一に、擲の訓は、なげうつ・すてる・なぐる・ふるう、だから、これがそもそも当て字なのよね。石擲子でないと、つじつまが合わないわ。 ほほほ

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