大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

ゆい(結)

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私:飛騨方言「ゆい結」の意味は二軒の農家における労働交換・労働契約。独りぼっちで一枚の田を耕すより、二人が二枚の田を耕したほうが働いて楽しいから、という趣旨に基づく。
君:古語から来ているのね。動ハ四「ゆふ結」の連用形。
私:確かにその通りだ。ただし古語動詞・動ハ四「ゆふ結」には契約するという意味は無い。あるのは「結ぶ」という意味。従って「ゆひ結」の元々の意味は「むすび」という事。これが転じて「約束を結ぶ事」という抽象名詞になった。和歌童蒙抄(藤原範兼の歌学書、久安元年(1145年)、用例は農夫の田の労働交換)に記載がある。
君:平安時代から「ゆひ結」があったのね。
私:そう。飛騨方言では、田の労働以外には、畑仕事とか、ありとあらゆる労働に用いられる。
君:具体例は。
私:白川郷の合掌村でのかやぶき屋根の葺き替え(ふきかえ)作業が有名だね。一人では到底、完成できない作業。日にちを決めて村人が総動員で行う。合掌村以外の事例としては、新築の家を建てる時に一日にして柱と屋根を作り上げてしまう作業「たちまい」、つまりは上棟式なども村人が総動員で行う「ゆい結」。
君:なるほど、富山や石川などの北陸地方でも同様に「たちまい」と呼ぶ地域があるわね。語源は「建前(たてまえ)」で決まりね。 ほほほ

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