大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 動物
ごむし(クロカワムシ)
私:飛騨方言「ごむし」は「ヒゲナガカワトビケラ Stenopsyche marmorata」節足動物門>六脚亜門>外顎綱>双丘亜綱>有翅下綱>長翅節>トビケラ目>ヒゲナガカワトビケラ科、の事です。
君:何を訳の分からない事を。「ごむし」って何なのよ。
私:飛騨でお生まれになりお育ちになった君でも知らないのは無理もない。男の子が好きなのは渓流釣り。その時に必要なのがエサ。裏の畑のミミズを持って川に向かう事もあるが、川の岸辺にも魚のエサが住んでいる。そのような水中に生息する虫の一種だ。共通語キーワードをお示ししたので、ご興味ある方はご自身でご検索あれ。
君:興味ないわ。
私:それは残念。簡単に終わろう。体長40mm。体色は緑色を帯びた褐色から黒褐色。頭部は細長く、頭部および前胸背面のみがキチン化する。流水中では不定形の巣を作る。巣というのは複数個の小石の集積のようなもので、慎重に小石を剥がすと「ごむし」が出てくる。
君:日本中に生息しているのね。「ごむし」は全国共通方言かしら。
私:いやいや、飛騨の俚言です。飛騨では「がいむし」と呼ぶのが正式で、これの訛りが「ごむし」という事のようだ。益田郡(現下呂市)には「ごみす」の音韻もある。
君:他の地方にも生息しているのだし、釣り少年は全国区だわよね。
私:そうだね。徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町) では「かわむし」というネット情報を得た。
君:でもヒゲナガカワトビケラにも通称があるでしょ。
私:それは鋭いご指摘。クロカワムシ(ザザ虫)です。ただし、川にはカゲロウなど多くの虫がいる。子供にとっては虫の名前はどうでもいい事、といいたいところだね。もっともカゲロウは、オニチョロ虫・オニゲラ・オニケラ・オセコ・ケラ、などの異称があるようだ。
君:まあ、どうでもいい知識ね。「がいむし」の語源については何か判明したのかしら。
私:さっぱりわかりません。クロカワムシについては、体が黒くて弾力があるから。石裏に小石を固めて巣を作り、その中に生息しているため、巣を剥がすと中から出てくる。剥がれない石に覆われた中にいるクロカワ虫は、緑色のサナギになっており使用しない。見た目は気持ち悪いが、エビにも似た良い味がして、プリプリな歯ごたえが楽しめるらしい。佃煮、素揚げがお勧めとの事。蛇足ながら、食した事は無い。
君:あら、残念。
ほほほ