大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学

なぜ日本語は『結論を最後にする』のか?(3)

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私:なぜ日本語は『結論を最後にする』のか?これの第三段と行こう。
君:まだ続くのね。くどいわよ。
私:古代日本語の理解なくしてこの命題は解明できない。日本語はアルタイ諸語であり、この特質そのもの。つまりは peninsular Japonic / 日琉祖語に始まる原始日本語がSOVだったからというのが佐七の考え。単なる偶然です。くどい様だが西田哲学は関係ない。
君:そうかも、とでも相槌を打たないと逆襲されそう。
私:更には、古代日本語にも格助詞があって既に膠着語だったという事。膠着語とは、実質的な意味を持つ語(語幹)に、文法的な意味を示す接辞(助詞や助動詞など)が次々と付着して文を構成する言語の事。古代日本語においても名詞の後ろに「が」「を」「に」「へ」「と」「より」「から」「にて」「して」などが用いられていた。ただし、 主語や目的語が無助詞で表されること多かった。更には「が」は連体修飾(例:「人麻呂が歌」=人麻呂の歌)を主機能としていたし、「ヲ」は、他動詞の目的語だけでなく非行為性の自動詞の主語も標示する例があった。
君:細かい事は別にして、古代語は大いに現代語に通じるわね。
私:その通り。古代日本語は前代日本語と構文的には同じ。格助詞は存在し、語幹に接辞が付着するという膠着語の基本的な構造は確立していた。
君:個々の格助詞の用法や機能は時代とともに変化してきた、これを学ぶのが高校古文ね。
私:かもね。本日のまとめ、古代から日本語はSOV(主語-目的語-動詞)。
君:本当に西田哲学の出る幕はないのかしら。
私:そんな事はない。西田哲学に通じる点は、日本語は動詞の活用形によって話し手の意図が表現されるため最後まで聞くことが最重要、という事かな。実は動詞が最後に置かれることで情報伝達の効率が良くなるんだ。然も、文全体の意味を確定する動詞に更に加える事に助詞・助動詞がスムーズに連結して多様な表現を可能にする。日本人の精神構造と言ってもよいだろう。
君:助詞・助動詞の存在も膠着語の特徴ね。
私:そう。日本語は長い歴史の中で一貫してSOV形式の膠着語だった。その一方、英語は古代にはSOV型だったが、13世紀から15世紀にかけて、SVO型が増加し始めて現代語に至る。つまりは中世に英国人の精神構造が変化したという事。
君:変化そのものは悪くないわよ。それにしても構文(文法)と音韻が共に異なるようでは、古代英語の解析は大変ね。 ほほほ

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