大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

いばる(いわる)・いわす(いわらかす)

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私:囲炉裏の天井が煙のススで黒光りする事とか、煙そのものがくすぶっている事を共通語では「いぶる」と言い、この他動詞が「いぶす」。
君:「いぶし銀」という言葉があるけれど、「いぶし」をかけた銀の事ね。
私:そう、表面が濃い灰色になる。ただし、この場合は、くすんで渋みのある銀色、の事であり、自然にそうなったという意味あいなので他動詞表現かというと悩ましいね。新品のピカピカのものよりレトロ感が出ていて、より価値が増す。表面の硫化という現象なので、磨けば再びピカピカになる。
君:つまりは、やはり他動詞ね。大気あるいは年を経るという事が表面を硫化させるのよ。
私:まあ、そんなところだ。この共通語の自他対に相当するものが飛騨方言では「いばる(いわる)・いわす(いわらかす)」。
君:「いばる・いばす」にはならないのね。
私:いや、元々はそうだったのだろう。いつのまにか、という事かと考える。自動詞も他動詞も独自の音韻変化をしたという事。
君:接尾サ四型「かす」は造語機能があるわね。
私:そう。使役の接尾語だ。上代から現代語に至るまで。飛騨方言における「いわる・いわらかす」の自他対は判りやすいね。かす(サ行四段他動詞語尾) も参考までに。
君:肝心の「いわす」が国民の大多数の皆様には意味不明に近い動詞なので、決して判りやすくないわよ。 ほほほ

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