大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学

ですんで

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私:各地を旅行する時には観光バスガイドさんの説明をお聞きするのが楽しみだが、言葉使いから彼女のご出身を言い当てるのがまた秘かな楽しみになっている。佐藤亮一監修・お国言葉を知る方言の地図帳・小学館を頭に叩き込んでおけばピタリと当てる事も出来る。
君:職業柄にて普通は現地採用のご当地出身のお方でしょ。それに車中でご当地の代表的な方言をご紹介なさる仕事もあるでしょうし。
私:その通り。また民謡のご披露も外せないね。それはともかく、表題に移ろう。
君:ほほほ、そのガイドさんが「ですんで」を連発なさったのね。
私:その通り。順接確定の言い回しだが、「ですので」の第三モーラの子音化。別の言い回しだが「ですけん」なら立派な方言表現であり、西日本で決まり。
君:若しかして「ですんで」がそのご当地の方言かという考えが心によぎったのよね。
私:ああ、その通り。実は、これは単に「ですので」の俗語表現であり、方言ではない。
君:つまりは「ですんで」は佐七君にとっては方言意識の一種「気づかない共通語」になりかけていたのね。
私:その通り、問題は僕だった。彼女にとっては「ですんで」は共通語そのものであり、方言意識はないし、現に共通語。ただし標準語表現意識に欠けていらっしゃったのでは、というのが本日の結論。ソシュール言語学のパロールの問題だ。ラングの理解が大切。
君:意味さえ通ればいい、という問題ではなく、言葉を生業とする人は俗語を話さないのが無難という事を言いたいのね。
私:まさに。アナウンサーという職業などがそうだね。原稿を読み上げる時ではなく、フリートークでお話をなさる時でも俗語はやめていただきたい。
君:沢山の人の前でお話をする場合は、という事ね。
私:その通り。教養の問題という訳だ。私の上司が人前で「なにかヨウモウはありませんか」と発言なさった事がある。私は目から火が出そうだった。
君:要望がないか、という意味ね。 ほほほ

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