大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学
けいじ
私:飛騨方言の語彙に「けいじ」がある。アクセントは平板。
君:今日も屋号のお話かと思うけれど、「けいじ」が若し頭高なら人名で、然も「じ」は「次・二」を示す排行(輩行、はいこう)でしょうけれど、実際には平板アクセントなのよね。
私:その通り。「けいじ」は江戸時代の男子名ではない。
君:意味は。
私小学館日本方言大辞典には「けじ」のみだしで書かれている。飛騨方言では主に除草という意味で使われる。つまりは動作を示す名詞。作物の世話、の意味や、雑草そのものの意味でも用いられるが、後世に多義語化したという事だと思う。武儀郡にも同様の言葉があるようだ。語源が気になる所だが、不明というしかない。強いて言えば「け」の音韻を含む言葉+「じ事」という事かな。
「掻く(かく)」が転じたもの: 草を掻き取る動作から、「けーじ」になった可能性。
「刈る(かる)」が転じたもの: 草を刈るという行為から、変化して「けーじ」になった可能性。
「削る(けずる)」が転じたもの: 地面の草を削り取ることから、音が変化した可能性。
君:これが大西村では更に一軒の屋号になっているのね。
私:いかにも。佐七の親戚にあたる。
君:つまりは、かつての佐七さんは本家で「けいじ」さんは使用人という事だったのかもしれないわね。真相は闇の中。
ほほほ