大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学
細江(ほそえ)2
私:当サイトは言わば雑学サイト。屋号も方言の一種であると考えて今まで書いてきたが、今日はまた更に発展して、全国的に見ても珍しい飛騨の苗字について。下呂市に多い細江姓について。
君:細江氏一族は戦国大名三木氏の家臣で、滋賀県長浜市の細江町の出身であるという説ね。
私:結論から言おう。まゆつばもの。具体的な資料が無く、地域に昔から伝わる都市伝説のようなもの。
君:三木氏は実在の戦国大名よね。
私:勿論。三木氏は元々、飛騨の守護である京極氏の被官。三木氏は神岡に居を置く江間氏を滅ぼし、戦国時代は飛騨一円を手中にした事もある。後に金森長近に滅ぼされ、江戸時代となる。
君:下呂市の細江姓は1875年(明治8年)2月13日に公布された「平民苗字必称義務令(へいみんみょうじひっしょうぎむれい)」以降という事かしら。
私:早い話がそういう事。江戸時代に苗字を名乗る事が出来たのは武士だけ。江戸幕府の名字帯刀令だ。江戸時代の飛騨で武士階級と呼ばれた人は旧高山市街の極一部の人のみ。農村部に武士階級というものは存在せず、番所勤めのような武士が旧高山市街にお住まいだった可能性はあろうかと思うが。
君:ところが江戸時代或いはそれ以前から下呂界隈には、我々は誉れ高き細江一族の末裔なり、という伝説があって、平民苗字必称義務令以降に皆様か一斉に細江姓を名乗り始めたという事なのね。
私:その通り。我も我もという事で村々が全員、細江を名乗るようになったという事。
君:要は平民苗字必称義務令は、家柄とかそういうものは一切抜きにして、国民は自由に好きな苗字を名乗ってよいという法律なので、万事めでたしじゃないかしら。
私:いちいち考えるのは面倒だから皆に倣って細江姓とした人も少なからずいらっしゃっただろう。
君:村の中で一軒だけポツンと違う苗字を名乗るというのも勇気のいる事よね。
ほほほ