大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学
平凡な姓
私:屋号も方言の一種であると考えて今まで書いてきたが、全国的に見ても珍しい飛騨の屋号や苗字については興味が尽きない。
君:珍しい苗字の多くは、例えば桑ケ谷のように、地名由来の傾向があるわねよね。
私:いかにも。苗字の由来は容易に推察できる。今日は逆に全国的にありふれた苗字についてあれこれ調べてみた。
君:一位は佐藤ね。
私:うん。以下にあっさりと。
一位 佐藤 中臣鎌足が天智天皇より賜った藤原氏が由来 東北に多い
二位 鈴木 紀州の熊野信仰の五穀豊穣を祈る祭祀具・鈴木に由来
三位 高橋 古代に橋は財力、権力の象徴
四位 田中 古代から四方を田に囲まれる家は豊かさの象徴
五位 伊藤 伊勢の国と藤原氏に由来
六位 渡辺 大阪の「渡辺津(わたなべのつ)」から、或いは船渡し(渡船)の仕事
七位 山本 日本は山国につき日本各地で独立して発生
八位 中村 古代から村の真ん中にある家は権力の象徴
君:田中、山本、中村あたりは方言の孤立発生論に似ているわね。
私:一位から八位まで、共通項がある。つまりは瑞祥名、大変に縁起がいい名前という事。これは、例えば豊田とか松井とか、日本の他の苗字にも当てはまるね。それでも青森に悪虫(あくむし)、山形県に悪原(あくはら)の姓があるそうだが、強さの象徴(つまりは良い意味)を示しているのでは、と解釈されている。
君:インパクトがあり過ぎね。
ほほほ