大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語彙

からこ殻粉

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私:方言語彙に「からこ殻粉」というのがあるんだがね。超多義語だな。人あるいは家畜のお口に入るという共通点で結ばれた言葉だ。
君:全国共通方言ね。
私:そう。古語辞典には「からこのかす滓」の記載がある。意味は小麦をひいて粉にして後に残る皮の屑(くず)の事。用途としては家畜の飼料や洗い粉。日葡には Caraco。「からこ」の別名は「ふすま、もみじ、むぎかす」など。
君:人の口に入る、という事は郷土料理という事かしらね。
私:現代的にはその通り。山形だったかお砂糖で甘くしたお菓子のような料理もあるそうだ。食した事はない。飛州志には「からこ」の記載がある。「からこめし」「かてめし」、あるいは単に「からこ」と言って、つまりは江戸時代の飛騨の農民は主食として食べていたという事だね。
君:あまり多義性がなさそうだけれど。
私:女房詞の「おから」が実は「からこ」の事なので宮中でも高貴なお方が食しておられたのだよ。勿論、洗練された料理としてだろうけれどね。多義性というのは「おから」に代表される如く、団子っぽい食事、おやつ、供物などの意味でも使われるようになって各地の郷土料理になっている。音韻変化は比較的、少ない。おからこ、おからく、からこだんご、の三通りだけ。煉ってちぎって、つみれのように鍋に放り入れる料理もあるようだ。
君:さすが、女房詞「おから」の言葉のパワーというわけね。 ほほほ

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