大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 全国の方言 島根
だけん(=だから)
私:2025朝の連ドラ・ばけばけ、は出雲方言、然も伝統方言(=戦前までの方言)の宝庫で楽しく観賞させていただいている。本日は「~だけん(=だから)」について。
君:これは雲伯方言「けん」で既に触れていらっしゃるわよ。語源は「からに」。つまりは順接確定の言い回し。「けん」そのものは動詞の終止形に接続するのに対して、「だけん」は名詞に接続するのでしょ。
私:そのとおり。つまりは「だけん」は形容動詞「~だ」+「けん」にて、名詞を順接確定して後続節に繋ぐ言い回しだ。この程度の言い回しならば、大半の視聴者の皆様は字幕が無くとも瞬時に意味がお分かりのはず。
君:そりゃ、そうよね。なんだか迫力の無い記事ね。
私:いやいや、以上を前置きとしよう。方言の東西対立で指定の助動詞という事で「だ・じゃ」がよく論じられる。飛騨は西側なので「じゃ」の地方。尤も最近じゃ専ら「や」だが。
君:なるほど、島根は明らかに西側に属する地方なのに東京と同じく「だ」というのは少し可笑しなお話よね。
私:そうなんだよ。あれこれ、調べてみたが、出雲・隠岐方言では推量表現が「だろー」も「じゃろー」も使われるようだ。当然ながら順接確定では「じゃけん・やけん」というよりは「だけん」が主流らしい。ここ
君:つまりは方言の東西対立「だ・じゃ」という究極の単純化に囚われてはいけません、という教訓ね。
私:その通り。「だ・じゃ」の松、という方言学の逸話みたいなものがあるでしょ。天下の金田一春彦先生がとりあげなさるものだから、皆が、へえっ、と思ってしまった。
君:あなたもそう思ったのでしょ。
私:いやいや、実際にそこへ行ってみた。記事はここ。村中のなだらかな平凡な峠、こんなところが方言境界のはずがない。つまりは嘘。
君:要は西側地方にもパラパラと「だ」の地方がある、という意味ね。
ほほほ