大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 心の旅路
博多方言・方言文末詞「と」2
私:準体助詞とはにお書きした通りだが、肥築方言(=博多方言)では準体助詞「の」は「と」になる。
君:例文がいいわよ。
私:はいはい。
「今、 若い人みたらさ、 あー、 やっぱ、 私も、 若いときは、 高いト (=靴) ばっかり履きよったけどねー。」
「私んト (=携帯電話) やないよ」
「ご飯炊くね、 あげなト (=道具) やらいる。」
「にわかのようなト (=遊び) もあると?」
「玉屋が動物園やったト知っとる?」
「しかもサイドブレーキ下りんト。」
「それ毎週土曜日きてやりござったト。」
「薩摩弁がね、 反映しとうト。」
「なんで電話かかってくるト?」
「「よかばい て言わっしゃーけどそげんするやつがおるトタイもう」
「あたし何回も聞くトヤン。」
君:なんとなくわかったような気にもなるけれど、複雑な接続則があるのね。
私:そう。幾つもの論文がある位だからね。今日はそういった固いお話ではなくて、そもそもが方言文末詞「と」の語源って何だろう、これを問題にしたい。
君:いいから、結論を一言で書いてね。
私:うん。準体助詞「と」の語源は「~の事」、そして準体助詞「の」の語源は「~のもの」じゃないかな。これ本邦初公開。
君:つまりは「と・の」は共に接続助詞「の」がゼロ接辞で含まれ、そして「と/の」は「こと事/もの物」の語頭が脱落という音韻変化なのでは、と考えたのね。
私:音韻学的にあっているし、意味的にもあっている。更には古くには九州と本州で「こと事/もの物」の言葉の対立があったという事かも。
君:当たらずと言えども遠からず。或いは、近いと言えども当たらず。アクセント学の逆襲で返り血を浴びるわよ。
ほほほ