| 大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学< |
| 飛騨人が関西方言が苦手な理由 |
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佐七:まずは自己紹介からいきましょう。私は生まれ(s28)も育ちも高山の近くで、高校を卒業してずうっと濃尾平野に住んでいます。 麻奈:私は生まれ育ちが古川で、あなたより少し若いです。高校卒業以来、ずうっと関西です。 佐七:さて、表題ですが、何十年も関西に住めば、もう関西方言はペラペラですね。 麻奈:ええまあ、自然に出ますが。でも、微妙に違うのかも。 佐七:ははは、微妙に違うってことは、完璧に近い、って事で。私なんか・・だまされるでしょうね。事実を知ってなんじゃ、わりゃ古川がよ、おりゃ久々野やさ。と叫ぶと思いますが。 麻奈:佐七さんだって、・・"ざいごさ(=田舎者、在郷さんの訛り)"、って見破られた事はありませんか。 佐七:ははは、全然ないと思いますね。僕は五十年以上も日本人をやってきたし、故郷を離れてはや四十年か、"ばれん"ように、徹底的に東京人ごっこをやってきたんですよ、冒頭のご挨拶の通りですが。おっと、本題と参りましょう。表題は飛騨人が畿内アクセントをマスターするのはとても大変だという意味です。どう思いますか。 麻奈:飛騨は純東京式アクセントの地方なので、これをひっくりかえして発音すればいいのでしょうけど・・。 佐七:またねえ、ひっりかえらない言葉もあるし。ところで先ほど二つの資料世界の言語のアクセントのタイプ・位置アクセントと語声調を上梓したのですが、なにか気づきませんか。 麻奈:・・ふーむ、少し複雑な内容ですから、パッとは気づきませんが。お得意の、簡単に一言で結論、の佐七節はどうかしら。 佐七:ええ、そうしましょう。私の結論は、飛騨人にとって関西方言が難しいのは、関西方言が中国語だからです。 麻奈:・・でも、日本で一番歴史のある由緒ある京言葉が中国語である、とはどういう意味ですか。 佐七: 東京語はピッチアクセントで要は、単語の高低がアクセントで、これは樺太からロシア方面にかけての北方系、あるいは、ウラル語と言ってもよいのでしょうがその系統の言語です。その一方、琉球・鹿児島方言などはトーンアクセントなのだから明らかに中国大陸と同じアクセント圏ですね。そして畿内方言は実は、ピッチアクセントでもありトーンアクセントでもある、超複雑なアクセントであるのに、飛騨は純東京式ピッチアクセントですから、南方系のトーンアクセントが混じった畿内方言のマスターは困難なのではないでしょうか。実は飛騨人は北方系語族の最南端という事ではないでしょうか。畿内方言は南方アクセントの最北端なのです。日本語には方言東西対立問題がありますが、今日のテーマは言語学における極東の南北アクセント対立なのです。 麻奈:ふーむ、お一人だけで相当に熱くなっていらっしゃいます。じゃあ、純南方系の沖縄・鹿児島の人達も関西方言が苦手なんでしょうね。 佐七:でしょうねえ。 麻奈:じゃあ、純南方系の沖縄・鹿児島の人達が北方系の純東京式ピッチアクセントを学ぶのも難しいのかしら。 佐七:いやあ、それはないでしょ。純東京式は共通語だから沖縄でも小さい時から勉強しているはず。 麻奈:じゃあ、純北方系の飛騨人が南方系の琉球方言を学ぶのも難しくないかしら。 佐七:いやあ、それもないでしょ。トーンアクセントは学校でも教えないし。難しいでしょうね。これがさっと理解できる日本人は外国語大学に進学し中国語を選択する学生さんでしょう。つまりは琉球方言こそ、飛騨人にとっては外国語みたいなものでしょうねえ。 麻奈:古川出身の私は沖縄ではすぐにばれちゃいますね。 佐七:ええ、やまとんちゅ、と言われるかも知れませんね。 麻奈:けど飛騨人は沖縄では東京の人間を装ったら、ばれてまわん、って事なんやもなあ。ありがたいえな。 |
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