大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 認知方言学
認知方言学の課題1
私:認知方言学の手法としては人々の聞き取り調査が基礎となっている事は古典的な方言学となんら変わりは無い。
君:戦前辺りの方言学というのは地域の方言話者の古老に目を付けての聞き取り調査、と言うようなスタイルだったわね。
私:フィールドワークというものだね。録音なども重要だろう。戦前辺りは専ら紙に書きとどめていたのだね。認知方言学では場合によっては全国規模の大量のデータを扱うので、文章による簡単なアンケート調査が主な手法だと思う。
君:あら、それじゃ柳田國男の蝸牛考の著書とおなじじゃないの。
私:早い話がそういう事。彼は農政官僚時代に全国を隈なく歩き、地道に人脈を築いた。脱帽。それを最大限に活用し、尚且つ全国全ての町村役場に手紙を書くという方法論でカタツムリの名前の周圏分布をつきとめた。着眼点が素晴らしい。天才だ。
君:日本初の偉業ね。認知方言学の父かしら。
私:そうではありません。認知方言学は方言の多様性を人間の認知プロセスと関連付けて研究する学際的な分野。蝸牛考に心理学は出てこない。認知方言学では、どう思っているか・どう考えているか、などが絡んでくるし、扱うデータは蝸牛考の比ではない。統計処理は必須。
君:やはり蝸牛考や方言区画論を嚆矢とする古典的方言学の発展の先に認知方言学があるのね。
ほほほ