大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 形容動詞
ナ形容詞
私:「赤いトマト」「まっかなトマト」、これの違いは。
君:違いはないわね。同じことの言い換えよ。
私:中等文法では動詞・形容詞・形容動詞を教わる。この観点からは。
君:「赤い」は形容詞の連体形、「まっかな」は形容動詞「まっかだ」の連体形ね。
私:外国人に日本語を教える場合、「あかい」は「イ形容詞」、「まっかな」は「ナ形容詞」と教えるそうだ。
君:でも、活用が違うでしょ。
私:外国人の初学者にとって活用の概念は難しすぎるという観点から、このように教えるらしい。
君:活用と言えば、要するに屈折語という事よね。日本語は膠着語でもあり、尚且つ屈折語でもあるのか、と悟ると日本語学習が嫌いになりかねないわね。
私:なにを言ってるんだい。僕こそ、形容動詞はナ形容詞である、と言う理論には到底ついていけない。可笑しな理論だと思う。ありがたい話だが、日本語文法学会は「ナ形容詞」という概念を無視している。
君:ナ形容詞を認める立場とすれば形容動詞という概念は存在しないという考えになるのね。
私:そうだね。僕は大野晋先生のお考えを全面的に支持する。「ナ形容詞」などという品詞は存在しないし、形容動詞という品詞すら存在しない。
君:形容詞の存在だけはお認めになるのね。
私:勿論。ク活用・シク活用の別もとても大切。山は高く、富士は美し。つまり形容詞とは状態を表現し、かつ単独にて用言になる品詞。
君:では形動ナリ・タリは何の品詞なの。
私:「状態を表す名詞」+存在を表す形式動詞だね。「なり」は「に」+「あり在」、「たり」は「と・て」+「あり在」。「まっか真赤」って名詞以外の何物でもないでしょ。「まっかなトマト」と「トマトが真赤」は同じ意味。
君:外国人に古典文法を教えるのはたやすい事ではないわね。
ほほほ