大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学
母の言葉2
私:父は他界した。母も長くないね。入院しているのでお見舞いの毎日(でもないかな)。
君:何か素敵な言葉を聞けたの。
私:まあね。親戚がお見舞いとて、お金を置いて行かれるのを、「あんなごと、せんでもええに、うたてえー。」と言っている。
君:「あんなお心遣いをしなくてもいいのに、恐縮する」という意味ね。
私:ありきたりの飛騨方言だが、心房細動の後遺症の脳塞栓にて構音障害があり、非常に聞きづらい。もごもごと何を言っているのか、私の孫には不明だったようで、「ママのおばあちゃんが何を言っているのか、わかりませんでした」と絵日記に書いている。
君:絵日記を読むだけでも収穫ね。
私:実は私自身が聞きづらくて、何度も問い返し、言葉が理解できた。訛りというか、お袋独特の口調というか、やはり私にしかわからない事であるし、こうやって文字起こしをしても、返って味気ないというものだ。せん妄があり、軽度の認知症もあるが、認知症のコア症状と言うべきものはないようだ。親子で会話が成立するのはありがたい事で、お見舞いも楽しい。痴人の知、というやつだな。
君:アルツハイマーとか、レビー小体型認知症など、人間の尊厳にかかわる病気は大変よね。
私:特に高学歴のお方が罹患なさるとね。その点、僕のお袋は学が無いので安心だ。知っている英語はカレーライスとハンドバッグ位だろう。僕が子供で誕生日にお袋が作ってくれたカレーライスが懐かしい。
君:そのお話で会話がはずんだのよね。
ほほほ