大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学

母の言葉1

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私:お袋が高齢で入院してしまった。せん妄がどうもあるらしい。彼女が話す言葉は伝統的な飛騨方言。
君:親との会話に泣けてしまうのね。
私:いや。楽しい会話だった。人格は保たれていたし。
君:どんなお言葉。
私:病床に伏してうつらうつらしていたが、私を見て「なんじゃ、わりゃおったんがよ」。
君:意味は「息子よ、おお、そこにいたのね」という事で、嬉しかったという意味ね。
私:うん。予想外だったという事。「いそがしいに、むりしてこんでも」が続いた。
君:つまり「仕事に忙しい身のあなたである事はわかっている。私のお見舞いなんかしなくてもいいのに」というお気遣いね。
私:そう。会話は尽きなかったが、締めくくりの言葉は「まんまくってけ」。
君:ほほほ、病室をご自宅と勘違いして、粗飯だけれど、せめて夕食でも食べて言ってね、という意味ね。
私:そう。母の言葉は慈愛に満ちている。泣けるわ。京都語の「お茶漬けだけでもどうですか」とは、実は「いつまで長居するつもりですか、とっととお帰り下さい」という意味。
君:本当は怖い京都語。 ほほほ

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