大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

日本の方言学講座

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私:日本語方言学の講座や研究室がある高等教育機関は限られている。東大、東北大、京都大、早稲田大、広島大。つまりは極めて限られている。国立国語研究所も研究機関だが大学院生か研究者しか受け入れない。つまりは方言学というものは相当に浮世離れした学問だ。国文学の大学生の多くは、古典文学とか、近代文学辺りをかじるのではなかろうか。
君:そりゃそうよ。
私:でも世の中は変わった御略歴の先生もいらっしゃる。木部暢子先生、九州大卒、鹿児島大助教授、ここで方言学、特にアクセントの研究に目覚め、先生の驀進が始まる。同大学部長就任の後に国研へ。要は御一人でのしあがりなさった感じです。
君:すごいわね。
私:それと、彼女は三省堂・方言学入門(ISBN978-4-385-36393-6)の編集主幹で、共著者が竹田晃子先生(東北大卒、岩手大教授)、田中ゆかり先生(早稲田卒、日大教授)、日高水穂先生(阪大卒、関西大教授)、三井はるみ先生(東北大卒、國學院大教授)。つまりはチーム方言女子。こんな方言学の本ってあるんだね。
君:ジェンダー平等の時代なのよ。あまり本質を突いていないのじゃないの。
私:失礼。木部先生は九州大学卒業後に独学、彼女以外の先生方は大学生の時に方言学の講義を学んだという違いがある思う。
君:研究者を目指さなくとも一般教養として方言学を学ぶだけでも有意義な事じゃないかしら。
私:そう。ただし方言学というものは単に古典文学に精通するだけではなく、日本語の歴史を学ぶ面白さという事に尽きるんだ。それと、三省堂・方言学入門は図版が多くて、それを眺めているだけでも楽しい。方言学は雑学的な要素が大きく、老後からでも始められるのもいいね。
君:高校生が方言に興味を抱く事は稀ね。国語が好きで文学部に進学、一般教養でたまたま方言学の名講義を聞いていっぺんに方言のとりこになる、というケースが多いのじゃないかしら。
私:僕の場合は違う。きっかけは高校入学時に飛騨方言「やくと(= on purpose)」を古語辞典に発見した事。頭を殴られた感じだったな。更には「気づかない方言(例えば、みえる尊敬)」だ。あれもショックだった。
君:ナイーブな頭の時代が人世の華、はっと目からうろこ、というパターンね。 ほほほ

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