大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
のくとい,肩ぶとん
私:「いろは歳時記」の一句、「のくといと 肩ぶとん着て ひなたぼこ」。冬の歌。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:飛騨方言形ク「のくとい」は古語形ク「ぬくとし(ぬくい)」の母音交替。飛騨方言「肩布団」だが、肩から背中にかけて切る綿入りの保温衣の事。共通語といえなくもない。俳諧では冬の季語。暖かいわねと言って肩布団を着て日向ぼっこをする老婆、といったところかな。
君:飛騨の冬は寒いのよね。「のくといと」は「ぬくぬくと」に通じるわね。
私:かけ布団を着るのか、かけるのか、かぶるのか、これがまた方言学の問題。平安文学では布団は薄っぺらい衣で、要は着るもの。飛騨方言でも、平安文学よろしく布団を着るという。
君:この句の場合は衣装の一種なので、文字通り「着る」が飛騨方言表現ね。
ほほほ