大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
ついけ,せんざいばた
私:「いろは歳時記」の一句、「ついけ待って せんざいばたに たねをまく」。これは春の農耕の句。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:「ついけ」は飛騨の俚言で「つゆ梅雨」+気配の事。梅雨の事を飛騨方言では「ついり」「ついれ」とも言うが、おそらく梅雨入りが語源だと思う。「せんざい(畑)」は野菜の畑の事。「せんざい前栽」は古語にあり、漢語の系統の言葉なので平安時代からの語彙で、元々は庭先を意味していた。文例は多数。その後は中世に多義語化して、植え込みやら小さな畑を意味するようなった。つまりは句は・・・梅雨の気配を待って庭先の畑に種をまく・・・という意味になる。
君:なるほど、夏も近づく八十八夜(五月初旬)の句なのね。八十八夜は種まきや田植え、茶摘みなど、春の農作業を始めるのに良い時期なのよね。この頃になると、霜が降りる心配が少なくなり、気候が安定するので、八十八夜の「別れ霜(忘れ霜)」という言葉もあるわ。
ほほほ