大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
おぞうても
私:「いろは歳時記」の一句、「おぞうても ひなさまほめて 豆もらい」。これは桃の節句、春の句。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:方言学の語彙・形ク「おぞい」が大問題だ。全国共通方言で超多義語。
君:そこを簡単に、一言で説明してね。
私:「おぞい」は「立派だ・素晴らしい」という意味で使う地方もあれば、「劣悪だ」の意味で使う地方もある。飛騨は後者の地域。
君:つまりは、隣家のお雛様が見すぼらしいと思っても、素敵な人形ですねのお世辞でほめて、お駄賃にまめをもらう、という意味ね。
私:その通り。飛騨のわらべ歌にもある。【ここ】をご参考までに。ついでながら、飛騨方言では形ク連用形はウ音便。従って「おぞくても」ではなく、「おぞうても」になる。蛇足ながら、飛騨の春の訪れは遅いので桃の節句は旧暦「四月三日」で行う。今はどうか知らないが。
君:豆とは煎った豆の事で、戦前あたりでは素敵なお菓子という事だったのね。
ほほほ