大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
えあがり,ひどんぼ
私:「いろは歳時記」の一句、「えあがりは ひどんぼ二枚に しろいめし」。これは田植えの句。飛騨の明治・大正あたりの生活風物詩といったところだね。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:飛騨方言「えあがり」とは、田植えのあがり、つまり田植えが完了と言う意味だ。飛騨方言「ひどんぼ干鰯」は漢字を読んで字の如し、イワシの干物の事。句意は・・・田植えがやっと終わった せめてひらきの鰯二枚と白飯の御馳走にしましょう・・・という事。
君:田植えが短呼化で「え」になるのね。若しかして「とんぼ」はイワシの意味かしら。
私:その通り。「とんぼ」は古語「とんばう蜻蛉」からきた言葉だが、全国各地の方言になっていて、然も多義語にて小学館・方言大辞典にはざっと25の意味が記載されている。魚、とりわけトビウオの意味で北陸地方に文献がある。ここから来ていると思う。「ひとんぼ」は長野県西筑摩郡の方言資料があるね。飛騨・長野の地域共通語と言ってもいいだろう。
君:ご飯ですらいつでも食べられるわけではなかったし、ましてや海の魚ともなると干物以外には無く、それがたいへんなごちそうだったのね。
ほほほ