大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
私:長らく「飛騨弁水墨画集いろは歳時記(岩島周一著)」の内容を紹介してきたが、今日が最後の句だ。「京都でも 江戸でも 国の手形 飛騨ことば」。この川柳に飛騨方言の語彙は無い。
君:読んで、ではなくて、詠んで字の如し。
私:一本やられたな。お国訛りはそうそう簡単に直せるもんじゃない。都会でも堂々と飛騨方言で話そう、というこの句の趣旨だが、お国訛りは交通手形に勝る手形の機能というのは江戸時代のお話だね。
君:関所で通行手形を見せる際に、お役人様から質問攻めにあうけれど、返答するのが方言丸出しなので、言い方で出身地がわかってしまう、という意味ね。
私:その通りだが、実は江戸時代には忍者というご職業があった。お殿様の命により他国の状況を探りに行くスパイ。他国から他国へ移動し、数カ月あるいは数年かけて敵地を視察し、帰国しなければならない。スパイはつらいね。
君:やりがいは感じていらっしゃったかもしれないわ。
私:そうだね。但し、何年たっても帰って来ないスパイもいる。お城では「ばれてしまって、捕まって処刑されたんだね」、という事で終り。薩摩へ送られたスパイが一番に過酷な運命にさらされたそうだ。
君:どうしてなの。
私:薩摩方言は二型アクセント。然も薩摩方言のアクセントは、拍(モーラ)ではなく音節を単位として付与される。これをマスターするのは薩摩方言を母語としない人にとっては至難の業、というか不可能だ。すぐにばれる。
君:薩摩以外の忍者が薩摩に送られて薩摩の人に成りすますのは不可能という意味ね。
ほほほ