大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
ぬずく,あかいべ
私:「いろは歳時記」の一句、「ぬずくくせ あかいべほしいが ぜにはなし」。この句は生活を歌ったものだが、川柳でもいいかな。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:歌の意味は・・覗く癖 赤いおべべが欲しいが お金がない・・という事になる。乙女心の歌。「ぬずく」は「のぞく覗」の母音交替。「あかいべ」は赤いおべべ、転じて晴れ着・美しい着物の意味。「べ」単独で用いられる事はない。つまり「あかいべ」は全体として一つの概念を表すもの、つまり不可分名詞。
君:俚言かしらね。
私:いや、「ぬずく」は輪島の古い方言資料にもある。「あかいべ」は飛騨・岐阜の方言、全国を見ると「赤いべべ」はかなりの音韻変化がみられるね。ところが意味は例外なく晴れ着・きれいな着物の意味。
君:主題としては、いつの世も美しい着物は女性の関心の的、という事ね。あるいは飛騨は全体的に、特に農山村は貧しかった、という事かしら。
ほほほ