大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
ちゃのこまい,つぁーま
私:「いろは歳時記」の一句、「ちゃのこまい 仕事は つぁーまの田の水見」。この句は生活を歌ったものだが、川柳でもいいかな。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:歌の意味は・・お父さんが田の水の張り具合を見て回るなんて朝飯前の仕事です・・という事になる。この句の飛騨方言部分は「ちゃのこまい」「つぁーま」。
君:それぞれ。「朝名前」「おとっつぁん」を示すのね。
私:その通り。「ちゃのこまい」これを漢字で表記すると。
君:それは簡単ね。茶子前。
私:その通り。「ちゃのこ茶子」は古語。中世語だね。仏教語といってもいい。お茶請けの意味で始まって、古語の世界でも超多義語化した。方言の世界でも全国各地の方言で、意味は様々だし、音韻も様々という、まさに取り扱いのしようがない言葉だ。飛騨方言でも文字通りの朝ごはんの前という意味、あるいは俗語「おちゃのこさいさい」と同じく事の良いな事の例えとしても用いられる。
君:あら、この句でもどちらの意味でも通じるじゃないの。
私:うん、確かにね。夕方に田んぼの水張りの状態を視察に行っても「ちゃのこまい」が使えるという訳だ。
君:水田は水の管理が大切ね。
私:稲は育つ時期によって最適な水の深さが異なる。育苗期、植え付け期、中干し期、出穂期。締めが収穫期の落水という事で微調整が大切。
君:女子供には任せられない、これがお父さんの心意気。
ほほほ