大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記

ひやらばんじゃら,いかまいか

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私:「いろは歳時記」の一句、「京まいり ひやらばんじゃらで いかまいか」。この句は川柳だ。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:京参り以外の部分が飛騨方言だね。意味は、京参りは のんびりゆっくりと 行きましょう。
君:「ひやらばんじゃら」は名詞にて旅の形態ないし様子を示すのね。
私:その通り。「日やら晩やら」+場面あるいは状態を示す格助詞「で」。
君:昼夜を問わず黙々と、という意味の正反対ね。何日も日をかけてノンビリと、という意味ね。「日じゃら晩じゃら」ではいけないのかしら。
私:勿論、かまわない。飛騨方言には「ひやりばんじょに」の言い方もある。土田辞書には「日やり万事に」の字が当ててあった。
君:なるほどね。
私:いきあたりばったりで計画性が無い、という意味では「わやくに・わやくな」などとも言うね。美濃地方にもあるようだ。
君:カ変動詞の未然形+「まいか」は反語表現かしら。
私:(助動詞特活)まいかに少し書いた。美濃飛騨の方言資料の幾つにも記載があるが、勧誘の意味で、美濃は「いこまいか」、飛騨は「いかまいか」の違いがある。
君:それにしても戦前に京都まで歩いて行ったのかしら。
私:JR高山線の悲願の全線開通が1934年(昭和9年)10月25日。それまでは名古屋や京阪神に行くには飛騨金山まで歩くという時代が続いた。東京に向かうには舞台峠経由で中津川まで歩いた。東海道線と中央線の全通は早かったが、高山線は遅れた。
君:飛騨の人達にとって京参り以外と言えば、お伊勢参りに善光寺参りね。 ほほほ

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