大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム いろは歳時記
ひだるばら,ばんもちいし
私:「いろは歳時記」の一句、「ひだるばら ばんもちいしは あがるまい」。この句は川柳だ。
君:句の内容を簡単に共通語で説明してね。
私:意訳するならば、腹が減っては戦はできぬ。
君:なるほどね。「ひだるばら」は、すきっ腹の意味ね。飛騨の俚言かしら。
私:いや違う。古語の形ク「ひだるし」から来ている。全国共通方言。空腹、飢えてひもじい様、文例は古今著聞集12-440とか歌舞伎とか。転じて、欲望、特に性欲が満たされない様、体に力が入らずだるい、などの意味で用いられる事もある。
君:この句の場合は、腹ペコの意味ね。
私:その通り。
君:「ばんもちいし」は重い石の意味でしょうけれど、具体的には。
私:盤持石と書いて飛騨では約60-80キロの石。地方によっては石俵、米俵などを示す事もあり、また「ばんもち」と呼ばれる事もある。日本海に多い共通方言だが、高知県長岡郡の資料もある。古語には出てこないね。
君:持ち上げるも何も、まずは転がせるかという事ね。
ほほほ