大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学

漢字「驒」に関する一考察

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私:「驒」という漢字が、特殊というか見慣れない漢字、だが、岐阜県飛騨市の公式名称に使われているくらいで、他には使われていないだろうな。
君:多分ね。
私:正直申し上げると、私は飛騨市という市の名前にも、その方言漢字表記にも、共に快く思っていない。
君:これはまた勇気あるご発言ね。つまりは飛騨市民全員のお方を敵に渡したわよ。
私:何を言ってんだい、僕は恩讐(おんしゅう)の彼方(かなた)に、と言う考えの持ち主だ。飛騨市民の皆様へ、佐七がこの際は「驒」の漢字について徹底的に語らせていただこうじゃありませんか。さて大宝律令で「飛驒国」と定められた歴史的経緯がある。この見捨てられたと言ってもいい旧字が飛騨市誕生で突然に復活した事だけは評価したい。大宝令をお作りになった当時の国家官僚の方々にも敬意をはらいたい。当然の気持ちでございます。
君:あなたの得意技、慇懃無礼というのよ。そんな事、いいから。結論を簡単に、一言でお願いね。
私:はい。駿馬を意味する「驒」だから、小学校で習う、象形、指事、会意、形声、の中で形声である事は誰でもわかる。ウマ偏で駿馬である事を意味し、単の作りで「たん(だ)」で音を表す。
君:それは月並みな推論ね。
私:うん。認める。但し、「単」自身が、実は象形から生まれた漢字だ。つまりは弓と矢を示す。上が弓で、下が矢。他にも別の説もあるようだが、万民が納得しやすいのが弓矢説。「單」の漢字は甲骨文字から来ているとも言われ、ネットにその手の情報はあふれている。ご興味ある方は自力でどうぞ。
君:つまりは。「驒」という形声漢字は形態学的に偏旁であるけれど、実は旁が象形という二重構造である、とおっしゃりたいのね。
私:早い話がそんな事だ。僕は白川静ではない。これ以上の知ったかぶりはしないのが無難。
君:ではおしまい。
私:おしまいにもう一言。「單」が弓矢であり、実は戦争を意味する言葉であったという重要な証左を見つけた。と言うか、先ほど気が付いた。ふふっ
君:なるほど。「單」は「戰争」という意味だったのね。
私:その通り。「戈」はホコだ。つまり弓矢とホコ、これが「戰(争)」。
君:納得できるわね。
私:ついでに[たたかふ]「あらそふ」「いさかふ」、全てに「ふ」が付くのは何故。
君:見損なわないでよ。上代の接尾語「ふ」、これは執拗に繰り返すという意味。「叩き続ける」「抗あらがい続ける」。但し「いさかふ」は的外れ。「いさめる+かふ交」が語源よ。お互いがお互いに注意を与える、これが語源。三つの内、二つがあっていたので66点。つまりは70点に届かず。惜しかったけれどもう一度、古語の勉強のやり直しね。高校国語では習わないので、国文学科の入門講座レベルかしらね。あなたの今後の勉強のきっかけになるといいわね。 ほほほ

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