大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学

「飛騨」か「飛驒」か

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私:「驒」という漢字が、特殊というか見慣れない漢字、という事で、戸惑われる人が多いかと思う。
君:まずは歴史ね。
私:大宝律令という奈良時代の法律で、それまで使われていた「斐太」や「斐陀」が廃止となり、「飛驒国」が正式と定められたので、日本史の教科書の国別地図には「飛驒」と記載している出版社が多いかと推察されるが、確認が必要。
君:日本史の入試で「飛騨」と書くと不正解なのかしら。
私:そんな事は無いと信じたい。慣用表現としては、旁が「単」の「飛騨」が圧倒的に広く使われていて、広く国民に知れ渡っている。法律などの文書その他、一部の公文書においてすら「飛騨」が使われている点に鑑み、商標が「飛驒」であっても、それを慣用表現「飛騨」で代用しても実用上で問題がない以上、法律的にも許されると思う。但し、確認が必要。
君:迷惑な話ね。「飛騨」に統一されないものかしらね。
私:実は平成の大合併で旧吉城郡の一部が合併して出来た新しい市の正式名が「飛驒市」。だから飛騨市の公文書は「飛驒」で統一されているかと思いきや、飛騨市自身が「飛騨」の表記を黙認するという立場であるので、話がややこしい。
君:優柔不断の飛騨市というわけね。
私:それを許した国の責任、総務省の見識が疑われる案件ではなかろうか。
君:あなたはどういう立場なのかしら。
私:慣用表現を尊重する。つまり、「飛驒」の表現を無視する、という立場。私の主張が国民の皆様のお手元の端末に正しく表示されているか心配だ。「驒」の字は初等教育でも中等教育でも教えないし、あまつさえこの漢字は一時期だがJIS漢字規格になかった事すらある。JIS X 0208-1978で騨を採用、1983年の改定で、俗字・通用字体の「騨」(U+9A28)が正字とされ「第1水準」(1面34区45点)に採用され、「驒」は非採用となったのが、国民に「騨」の字が広く受け入れられるようになった最大の要因。拡張されたJIS規格であるJIS X 0213(JIS補助漢字を含む)において、「驒」が第3水準漢字として改めて収録された。これに飛びついたのが飛騨市。蛇足ながら、当サイトは Unicode の UTF-8 で記載しているので、「騨」の字も、「驒」の字も正しく画面表示されると思うのだけれど、この記事の意味が判らない人は unicode, UTF-8, JIS X 0213(JISの現行規格), 第3水準漢字、これらの用語を理解してからこの記事を読みかえして欲しい。
君:どうでもいい事じゃないのかしら。
私:そう。要は、世の中に混乱をもたらすだけの飛騨市の判断、高山市民憲章には「驒」の字が採用されて、高山市すら片棒を担いでしまったという事ではないだろうか。
君:今日の結論を一言でお願いね。
私:僕は故郷を離れてしまった人間なので、どうでもいい、と片付けられないんだ。どうかお願いだ、すべて「飛騨」の表記で統一してくれ。
君:「飛驒市」の表記が既成事実化し、然も国のお墨付き。無理な相談ね。 ほほほ

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