大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 古代の飛騨方言

JC virus (human polyoma virus)

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私:国語会にはかつて古代日本語ロマンというものがあって、その最たるものが縄文語の概念とか、朝鮮半島で古代に話されていた peninsular Japonic という言語があった(のでは)とかいう理論があったが、このような説が教科書に記載される事はないね。
君:理由は簡単ね。確たる証拠が無くて、実に怪しげな理論だから。
私:大野晋の日本語・ドラヴィダ語同源説も文庫本で出版されていて、一度読めば誰でもわかるが、虚しさしか伝わってこないような本だ。
君:ドラヴィダ語はインドの言語ね。日本語の研究は記紀、万葉集、風土記、宣命、祝詞、木簡、金石文、懐風藻辺りから始めるのがいいわね。
私:その通り。漢字による記載という決定的な物証以外の説は信じないほうがいい。
君:ところで急に英語。JC virus とは何の事かしら。
私:JC virus はウイルスの一種。JCは John Cunningham という患者様の頭文字。この患者様のDNAから分離された Human Polyomavirus 2 の一種で1971に分離同定された。僕が学生時代の事だ。人間は無数のウイルスに自然に感染し、然も症状が無く、然も一部のウイルスは体内のDNAに刷り込まれる。これが父母の何れからも子供に遺伝情報として引き継がれる。
君:生命学のお話ね。ミトコンドリア遺伝子は母親から子供にのみ引き継がれるのは有名なお話ね。
私:JC virus には幾つもの亜型がある事も判明してきた。そしてここがみそ、JC virus 亜型情報を国別ごとに、というか人種毎に解析する学問も進化し、人類の系統樹が現代人のDNA情報から証明されるに至った。簡単に一言、日本人の起源は主に南から、つまり南西諸島経由で本土に広がった集団が最も多く、次いで北方アイヌ属の集団、続いては朝鮮半島・中国大陸から稲作文化の弥生人が渡来した、等々、昔から人々がおぼろげながらに感じていた事とピタリと一致した。
君:なるほど、こうなると日本語・ドラヴィダ語同源説は最早、インチキね。
私:その通り。文庫本は買わないほうがいい。記紀、万葉集以前の古代日本語の研究はただ空しいだけ。縄文人の人骨のDNA解析とか、石器の放射性同位元素解析とか、確たる物証を元にした議論以外は学問ではありません。
君:人類の大半が知らずして沢山のウイルスに感染し、子孫に遺伝情報として渡しているのね。親子鑑定にも用いられるのかしら。
私:断じてノー。日本人なら誰でも持っている遺伝情報は親子鑑定には使えない。親子鑑定には short tandem repeats (STRs) という遺伝情報が用いられる。その人しか持っていないユニークな遺伝情報の代表というわけだ。これが二人でピタリ一致すれば二人が親子である事は間違いなし。
君:同窓会で初恋の人に再会して、溜息をつくパターンね。自分の子供と彼の遺伝情報が異なっている事をコッソリと嘆く事。 ほほほ

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