大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源
ずくない(=だらしがない)
私:飛騨方言の形ク「ずくない」だが、「だらしがない、怠け者だ」という意味で、つまりは悪い意味でつかうね。
君:似たような音韻に「ずつない」があるわね。これは広域方言で、飛騨以外でも用い、意味は「体が疲れる」という意味で、語源は「じゅつなし術無」だったわよね。
私:その通りだ。その一方で、「ずくない」の語源は小学館日本方言大辞典の見出しに「ずく尽」でまとめられている。
君:という事は飛騨方言「ずくない」の語源は「尽きない」という事になるのかしら。
私:まさにその通り。割愛するが、全国に広がる各地の方言を総合的に勘案すると、そのような結論になるという事だ。名詞「つき尽」は当然ながら、文語動詞・自カ上二「つく尽」の連用形で名詞化、口語では自カ上一「つきる尽」。意味は「段々と無くなってしまう」という事だが、これは「トコトン・徹底的にやりつくす」という意味が更に発展して「事柄がどんどん進んでいって、その極に達する」という意味に進化した。つまりは努力の結果、金メダルを取る事が、名詞「つき尽」。この名詞は、多くは打ち消しを伴って用いられる用例が好まれ、「つきない(=飛騨方言ずくない)」は、残念な事にメダルに届かなかった(つまり努力不足)、という意味になる。極端な言い方になるがそれは「だらしがない、怠け者だ」という事になる。
君:逆に言えば飛騨方言「ずくなこと」は十二分に尽くしたという意味であって、「金メダルをとった事」と同じ意味ね。英語でも can not be better (=絶好調だ)などと言うわよね。
ほほほ