大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源
わり(=お前)
私:飛騨方言の人称代名詞においては対称は「わり」。語源は書かずもがな、「われ我」、「我は海の子」は飛騨方言では「君は海の子」の意味になる。これは古語辞典にも記載があり、語源探しとしては極めて簡単な部類になる。日本語の歴史を紐解けば、「われ我」は当然の事ながら最重要和語名詞であり、まずは「わ我・吾」が自称の意味で使われていた。これに接尾語「れ」が付く。接尾語「れ」は「こ・か・そ」や、不定詞の造語成分「いづ」、反射指示代名詞「おの」などに付いて、そのもの、という意を担う。「これ・かれ・それ・いづれ・おのれ」など。古代語「われ」は文字通り自分自身の意味だったが、中古末以降に自分より目下の対称として使われる用法が始まった。この傾向は近世語で顕著となり、時には相手に対する罵り(ののしり)言葉として使われるようになった。従って「われ(=てめえ)」広く全国の方言として使われている。各種の音韻に化けているが、「わり・わりゃ」は飛騨方言の専売特許ではなく、両語とも全国の方言になっている。広範囲なので、地域は割愛。
君:語源については十分すぎる説明ね。要は、目下に対して用いる言葉、という点がポイントね。
私:母親が息子に対して、なんてのが典型だね。
君:子供が親に対して、とか、部下が上司に対して、この使い方はアウトね。夫婦の場合は・・・微妙ね。
ほほほ