大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源
いばる(=けむる)
私:囲炉裏端での不完全燃焼「くすぶる」を飛騨方言では自ラ五「すぼる」とか自ラ五「いばる」とか言う。「すぼる」の語源は動バ下二「ふすぶ燻」だが、「いばる」の語源は自ラ五(四)「いぶる」。近世語だね。
君:つまりは、共通語では自ラ五(四)「いぶる」・他サ五(四)「いぶす」の自他対があるので、飛騨方言はそれに対応した音韻変化がある、と言う意味かしら。
私:いやいや、そのような一筋縄では行かないところが方言学の面白い所だ。飛騨方言では自ラ五「いばる」・他サ五「いわす」の自他対になっているんだ。他サ五「いばらかす・いわらかす」とも言う。
君:飛騨方言の歴史を考えると近世語あたりで「いばす」から「いわす」へと音韻変化したという事かしらね。
私:多分ね。ただし「いばす」という音韻は全国のどの地方にも無いようだ。話かわって、山形名産「いぶりかっこ」だが、「いぶる」+「かっこ(こうこ・香の物、つまり漬物)」の合成語である事は書くまでも無い。あのスモークトチーズのような独特の風味、思わず注文するしかないね。
君:飛騨方言でも漬物の事を「かっこ」というわよね。語源は女詞・御香子ね。山形名産を飛騨方言に訳すと「いばりかっこ」というわけね。
ほほほ