大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

しょうけ

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私:語源学の問題は。これこそエピ言語の最たるもので、然もここに入り込んでくるのが民間語源という、所謂、トンデモ説。当サイトはこれを徹底的に排除し、純粋に学問としての語源学を記載するように心がけたい。
君:そんな事、いいから、「しょうけ」って、あの安来節のドジョウ掬いで出てくるツールよね。
私:いや、あれはビク。腰はカゴ。「しょうけ」は戦後あたりまでの生活道具で、口が小さく、野菜の水切りや米とぎに使用するもの。ドジョウ掬いには不向き。
君:じゃあ、語源は何かしら。
私:古語の「さうき笊器」だ。角川古語大辞典に記載がある。竹で編んだザル・カゴの総称、つまり意味は現代語と同じ。拾玉集(しゅうぎょくしゅう)2に出てくることを確かめた。鎌倉時代の僧侶で歌人の慈円(じえん)が詠んだ歌集。後世には「さうけ笊笥」になる。日葡辞書には So'qe の記載がある。以後は、つまり近世語以降は現代語に至るまで「しょうけ」の音韻になるが、(自分の事を棚に上げて言うのもなんですが)方言好事家の出版物とか、それをそのまま転載する岐阜県・岐阜教育委員会・岐阜県立図書館などが民間語源を堂々とネット発信なさるものだから、いわゆる学問がゆがめられているというのが現状だね。
君:ひとりでぶつぶつ言っても仕方ないわよ。
私:その通り。世の中は偽情報で溢れかえっている。そんな事にいちいち腹を立てても仕方ない。己への戒めとしたい。さて結論としては、鎌倉時代に流行し始めた和製漢語「さうき笊器」が語源だ。それ以外は全て後世の当て字。つまり語源学的にはウソです。
君:地道に調査を続けて、自分自身を納得させる事が大切ね。 ほほほ

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