大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

かちこわす(=叩き壊す)

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私:飛騨方言に他タ五「かちこわす(=叩き壊す)」がある。
君:共通語「たたきこわす」は複合動詞ね。
私:その通り。「かちこわす」の語源を考えよう。いきなり結論だが、こちらも複合動詞だ。
君:「かち」は語気を強める接頭語ではないという意味ね。
私:古語に動タ四「かつ槝」がある。意味は、混ぜ合わせる・いっしょにする・混同する・麦や豆を棒で叩いて殻を取る・叩いて落とす、等々の意味がある。「かちこわす」の「かち」は動タ四「かつ槝」の連用形。
君:「ぶっ壊す」も「打つ」連用形「ぶち」、これの音韻変化よね。
私:そうだね。動タ四「かつ槝」は方言に生きているが、共通語としては残れなかったという事でしょう。方言ともなると「かちこむ槝込」がある(富山砺波・郡上・奈良宇陀郡)。古語の続きで「かちこ槝籠」がある。
君:共通語にはなく死語よね。
私:そう。ライフスタイルの変化ってやつ。ついてだが、飛騨方言はじめ、郡上・新潟に「いしばかち」という言葉がある。建築をする時の地がための作業。村人が総出で行うが、これも死語に近いかもしれないね。
君:ところで、動タ四「かつ槝」って和語動詞かしら。
私:はい。万葉3829、醤酢尓 蒜都伎合而 鯛願 吾尓勿所見 水ク乃煮物。
君:グルメの歌ね。 ほほほ

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