大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

(本を)はぐる

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私:共通語では、本をめくる、などと言うが、飛騨方言では「本をはぐる」と言う。これ、方言かな、と僕の心が騒ぎ始めたのが先ほど。
君:なるほど、寝る前に何でもいいからひとつ書いておこうという魂胆ね。
私:早速に各種の語源辞典なるものをみたが、どこにも記載が無い。ついでは古語辞典にあたった。角川古語大辞典には記載無し。日葡と江戸語辞典には補助動詞として「はぐる(しそびれる)」があったが、つまり意味が異なる。小学館日本方言大辞典にして然り、「はぐる」は多義語化していて、ここで紹介するには終止が付かない。ところが言海と日国には他ラ五(四)「はぐる(=めくる)」があって、明治の文学には出てくる。つまりは「本をはぐる」は近世語の中央語。
君:今では中央でも、つまりは東京語としても死語という訳ね。
私:どうもそんな感じだ。本日、急に調べ始めた動詞なので確定的な事は言えないが、結論はみえた感じだね。
君:語源辞典にないのだから、自分の説を世に問わなきゃ。ここは語源コーナーよ。
私:「めくる」の語源ははっきりしている。「まくる」だ。また、その一方、「(皮を)はぐ」は万葉集時代からの動詞、古くは「はく」だった。まずは「はぐる」の語源は「はぐ剥」と考えるのが無難だろう。また音韻学的には、「はぐる」は「まくる」に極めて近似しているので、この類推から近代語として突然にできた動詞の可能性があると思う。飛騨にひっそりと生き延びていたような感じなのは理解に苦しむ。謎が謎を生む。
君:まずは第一報、思いついた事は直ちにアウトプットしておかないと、直ぐに忘れちゃうのよね。歳をとるって嫌ね。 ほほほ

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