大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

飛騨方言・げばす、の語源に関する一考察(続)

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拙著・発見!これぞ、げばす、の語源に蹴はずすが語源であろう、と論述していますが、飛騨市サイトに、下馬する>落馬する、と記載されている事を一人うれいています。どの国語辞典にも必ず記載されている言葉つまり、下馬、下馬評、下馬札、下馬牌、などを読めば、下馬は落馬と全く何の関係もない言葉である事が誰でも簡単にわかるであろう、というのが筆者の主張です。

この事を実証します。ただ今、下馬、をキーワードにネット検索しますと凡そ百三十六万件の情報がヒットしますが、約二十分ほどの時間で数百件を検索して見ました。

下馬という名前の地名が全国にまたがりますが、下馬とは寺社・城等々公の建物の前にて馬を降りるべき場所の意味ですから当たり前の事ですね。勿論、そのような意味で地名が残っていると説明してあるサイトが多いのは小生には頼もしい限りです。尚、念のため世田谷区だけはシモウマと読みます。他の地名はすべてゲバです。例えば、
宮城県 多賀城市 下馬
福井県 福井市 下馬
熊本県 上益城郡山都町 下馬尾 郵便番号:861-3512
北九州市 門司区 下馬寄
鶴岡八幡宮由比ガ浜2-2-20付近,下馬交差点
世田谷区 下馬
熱海市 伊豆山 下馬
さて極めつけはゲバショウグンです。下馬将軍・酒井忠清(将軍・家綱に使えた大老)、のあだ名との事。彼の屋敷が大手門下馬札前にあったのでその権勢の強さに皮肉をこめて称されたのです。日本史の教科書には記載が無いかも知れませんが、松方弘樹主演の「江戸城大乱」という映画の主役松方さんが下馬将軍ですから国民が広く知っている言葉といってもよいでしょう。

蛇足にはなりますが、北海道庁が発信しておられます「乗馬のすすめ」をご覧になってください。流石、馬の国、乗馬が盛んなのですね。同記事の抜粋ですが、
"(2) 下馬の手順
 下馬のときは乗馬の逆の手順で動作します。まず、馬の肩を叩いて、騎乗させたことをほめます。両方のアブミをはずし、キ甲の直前の所で両手綱を合わせ左手で持ち、右手を前橋に置き、体重をかけながら右足を馬のお尻を越えて左足にそろえて降ります。"
という事だそうで、ハイ。

ネット情報等はとどまる所を知りません。馬の俳句、和歌、詩の如く、
小林一茶「下馬札や是より花の這入(はいり)口」
夏目漱石「下馬札に一つ立ちけり冬の雨」
など、俳句の情報もあります。また かつて http://www.max.hi-ho.ne.jp/yama3522/kk-w11.html 史蹟指導標の碑文「下馬」の如く、下馬について写真入りで詳細に解説してくださるサイトもありました。

以上の通りです。飛騨方言・げばす、と共通語・下馬する、の二つの動詞は発音が似ているからといっても全く関係ありません。くどいようですが下馬する、はゲバスの語源ではありません。音韻が似ている事を理由に語源を論じる事はせいぜい落語、漫談の世界の話題という事にしておきましょう。

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