大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

だだ(=おたあさま)

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私:別稿に飛騨方言「だだ(母)」の語源は「おたいやのさま」とお書きしたが、僕の国語脳は・・・そういえば母の対語といえば・・・という連想ゲームモードに入った。
君:一日中、そんな事ばかりを考えているのね。
私:いやいや、起きている間は、という意味なら答えは否。
君:つまり、佐七君は寝ている間に考えているという事ね。
私:その通り。朝に起きた瞬間に、そういえば、と気づく事がある。つまり寝ている間に考えていた事になる。
君:いいから、対語のお話を手短にね。
私:家内の友人に学習院がいるが、父の事を「おもうさま」、母の事を「おたあさま」と言う、と家内がかつて私に教えてくれた事を思い出した。
君:戦後の時代に華族は廃止されたのだけれど、学習院に言葉遣いという伝統は残っているという意味ね。
私:まさにその通り。「おたいやのさま」が「おたあさま」になったが、これは宮中の言葉といってもいいだろう。そして対語の「おもうさま」だが、「おもやさま母屋様」の音韻変化だ。
君:あまり飛騨方言とは関係ない世界ね。
私:宮中では「おたいや」>「おたた」>「おたあ」になり、庶民語としては「おたた」>「たた」>「かか」になったのだけれど、飛騨方言としては「たた」>「だだ」になったのでは。若し間違っていたらゴメンネ。
君:証拠は全国の方言ね。
私:いかにも。ソシュール学的演繹解決法だね。それともう一つ、父に関しては「おもやさま母屋様」は庶民語にならなかったという厳然たる事実がある。つまりは庶民語としては「ちち」に始まり「てて」「とと」と音韻変化した。つまり父を意味する言葉はタ行で音韻変化したが、「たた」は既に母を意味する予約語だったので「ちち」が「たた」に変化する事は無かった。その一方、「たた」>「かか」で明らか、母を意味する言葉はア列で音韻変化した。
君:つまりは父を意味する言葉は子音優位で変化して、母を意味する言葉は母音優位で変化した、それが国語の歴史です、とおっしゃりたいのね。 ほほほ

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