大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

あっぽ(=もち餅)

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私:「もち餅」の事を飛騨方言では「あっぽ」という。飛騨のわらべ歌「正月ぁええ」の歌詞にもある。祖母に歌ってもらった覚えがある。懐かしいね。「あっぽ」は幼児語の一種とも言えるね。
君:ほほほ、のび太のおばあちゃん症候群ね。という事は「あっぽ」の語源は幼児語という事ね。擬態語かしら。
私:いや、違う。古語に由来するし、「飛州志」という江戸幕府の公文書にも記載されている言葉なんだ。
君:手短に説明をお願いね。
私:江戸語に「あんもち餡餅」がある。これが語源だ。角川古語大辞典には更に幼児語「あんも」の記載もある。
君:大福もちの事かしらね。
私:いや、「あんもち餡餅」は大福のように中に餡がある餅と、おはぎ(お萩)/ ぼたもち(牡丹餅)のように外を餡でまぶすもの、この両方を示す。
君:子供でなくても大人にも大人気たったのよね。
私:そう。街道の茶屋では必ず売られていたのだろうね。飛騨方言では「あんも」が「あっぽ」になり、そして飛騨の「あっぽ」は餅全般を示すようになった。飛州志における飛騨方言に少し紹介したが、江戸では「あんも」と言うのを飛騨では「あっぽ」という事に天領飛騨の代官・長谷川忠崇様はビックリなさったというわけだ。
君:なるほど、語源の出どころはピンポイントで1728年というわけね。三百年以上も前から飛騨では「あっぽ」と言っていたのね。
私:いやいや、これは全国共通方言だ。飛騨、山形、栃木、等々。更には「あんも」の音韻変化は、あんもー、あもつ、あもさん、あもちゃん、あぽ、あぽぽ、あもち、等々、切りがない。
君:なるほど、飛騨、山形、栃木、は地勢的には無関係なのでこの三つの地方で孤立発生的に「あっぽ」の音韻が生まれたのね。山形、栃木も江戸時代からかしらね。 ほほほ

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