大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学
コードスイッチング
私:ところでコードスイッチングには二種類ある。
君:とは。
私:では本論だ。「場面間(situational)」切り替えと「会話内(metaphorical)」切り替えの二つだ。意味はだいたい想像できるよね。場面間、これは理解が容易だね。
君:方言の場合、場面間切り替えとは、あらたまった場面では共通語を使い、打ち解けた場面では方言を使うという意味ね。
私:それはそうだが、聞き手と話者の人間関係がからむ。同郷同士かどうか。打ち解けた場面でも初対面の人に方言丸出しは勇気が要るね、
君:最初は双方が、相手が同郷でないのではと疑って共通語で開始し、お互いが同郷と分かった瞬間にコードスイッチングするのよね。
私:その通り。また逆に同郷同士でも、少しばかりまじめな話になりますが、とか、俺は怒っているんだぞ、という場合に突然に共通語に戻す事もある。
君:それって会話内切り替えという事じゃないの。場面は変わっていないわけだから。
私:正にその通り。同郷同士でも共通語を主体とした会話の中にアクセントとして方言文をちりばめる事もある。これもコードスイッチング。
君:いわばバイリンガルなのよね。
私:うん。ただし日本中、皆がそうかと言うとそうではない。地域性がある。
君:とは。
私:結論を急ごう。話者分類に基づく地域類型化の試み : 全国方言意識調査データを用いた潜在クラス分析による検討 良く引用される有名な論文。
君:手短にお願いね。
私:関西人はあらゆる場面で関西方言で押し通し、東京人はあらゆる場面で共通語で押し通す。関西人と東京人はコードスイッチングしない人種。残りの日本人は使い分け派かどうでもよい派の二種類。
君:飛騨人は使い分け派ね。
私:うん。論文では使い分け派を、積極的使い分け派と消極的使い分け派、に二分している。積極派は沖縄・九州・東北・中国。消極派は北関東・甲信越・東海北陸。
君:積極派と消極派を分けるポイントは?
私:方言が好きなのが積極派で嫌いなのが消極派。飛騨は東海北陸なので消極派。つまりは地元・身内の間でも時に共通語を使う。逆に積極派は地元・身内の間では絶対に共通語を使わない。
君:なんとなくわかる気がするわ。ほほほ