大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

アクセント分布

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僕:「アクセント分布」をキーワードにネット検索すると大量の日本地図が公開されている事に気づく。まずは幾つかをざっと眺めていただこう。全てはリンク画像につき、当サイトに肖像権は無い。
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君:では、結論をお願いね。
僕:そうだね。一言で言えば、皆、違っている、という事。
君:言葉がまず統一されていないという事ね。
僕:大雑把に言うと東京式、京阪式(京都式)、無型、N型(一型)という用語の頻度が多いね。
君:中輪、外輪もあるわよね。
僕:無型を崩壊アクセントとも言うし。
君:例えば東京式と京阪式がぶつかり合う地域で中間型というのもあるわよね。
僕:その通り。笑っちゃうな。つまりは日本語アクセント分布といっても様々な言い方があって、つまりは混乱しているような気がする。
君:一番大雑把に考えると、東京式・京都式・その他の三者かしらね。
僕:そこまで簡略化してしまうと誰も相手にしてくれなくなる。ところでもっと簡略化する事もできるだろうね。挙げた地図は伝統方言、つまりは戦前当たりのアクセント地図なのだから。
君:つまりは現代のアクセント分布は全国的にNHK型で、関西にわずかに京都式が残る。
僕:福島の友人も、鹿児島出身の友人もいるが、両名ともNHK型だ。当のNHK型ですらどんどん変化している。手元の2016版の帯には18年ぶりの大改訂との表記。その心は、NHKアナウンサー約500人を対象にして大規模なアクセント調査を三回実施、慎重なる解釈の結果、なんと驚くなかれ、約3500語のアクセントを変更とした。18年でアクセント核が移動したこれら3500語の日本語の解釈が立派な学問になろう。
君:現代の日本語はどんどんアクセントが変化しているという事ね。アクセントは生き物。しかも容易に変化する生き物。
僕:その通り。上記のような地図を眺めてあれこれ論ずるのは懐古趣味以外の何物でもない。
君:ほほほ、ではおしまい。
僕:ではなくて、今からが本題。さあ、懐古趣味をやろう。早速だが、真っ先に気づかされる事がある。
君:アクセント学が戦後に盛んになり、学術語が生まれ、しかも混乱している、というお話ではなく、地図そのものの解釈という事ね。
僕:その通り。区画だが、現在の府県境に一致しているものが大半だね。勿論、一つの県の真ん中を境目が走っている地図も散見されるが。
君:府県境は明治の廃藩置県の遺産だけど原則的に藩の境をもとにしているわけだから、アクセントの境は藩の境、つまりは江戸時代という意味かしら。
僕:じゃないかと思うんだ。今ほど交通が発達していないし、旅行文化も貧弱、藩の境には関所があって人の自由な行き来を統制していたのだし。
君:とりとめのない話。それだったら、私、もっと重要な事に気づいているわよ。
僕:えっ。
君:藩の境があって江戸時代に方言の極期を迎えるのでしょうけど、アクセント境界は藩を超えてより広域だから、つまりは江戸時代以前にあったのよ。
僕:なるほど。長野方言と違い飛騨方言は畿内文法という事で、飛騨山脈という、日本を東西に分ける日本最大の方言境界線があるけれど、アクセントは飛騨も信州も東京式、つまりは内輪・外輪の境界は白山になる。アクセントはなかなか頑固で変わらない、と考えれば合点が行くと思うのだけど、でもNHKアナウンサーさんですらコロコロとアクセントを買えるようになっちゃったんだよね。しかも全国がNHK式になっている。
君:あなたの頭が混乱してア苦戦頭。

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