大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 表記
表音文字、表記文字、表意文字
私:方言の表記、或いは日本語の表記うんぬん、と言う前に、小学校で習った「漢字は表意文字、仮名とローマ字は表音文字」について考察してみたい。
君:手短にお願いね。
私:昭和28年生まれの僕だが、小学生時代に確かにそう習った。ところがつい先ほどに文化庁の各種情報発信、つまりは内閣告示・内閣訓令 - 国語施策・日本語教育、新しい「公用文作成の要領」、国語施策・日本語教育 | 国語施策情報、等を見ても、ここで問題となるのは日本語の正しい表記という事。おいおい、表意文字はどこへいった、という疑念が湧いてくる。
君:つまりは漢字は表意文字ではないと仰りたいのね。
私:ネット記事の端折り読みからの理論構築なので、若し間違っていたら御免なさい。今も昔も文部省の考えは変わっておらず、小学生というか、国民には「漢字は表意文字、仮名とローマ字は表音文字」と教えておけばよいというお考えで、小学校の教科書の出版や指導要領資料などもおおむね追随している、といったところかな。一部の教科書は「表記文字(表意文字)」の両論併記で文部省に立てついているという事らしい。
君:片や文化庁は。
私:文字には表音文字 phonogram、表記文字 logogram、表意文字 ideogram の三種類があり、漢字は表記文字であって表意文字ではないという、言語学の立場のようだ。従って漢字の書き方は表記の問題であって表意は関係なし、が文化庁の立場かな。
君:表音(仮名及びローマ字)については説明不要として、表記・表意の違いについて具体例で示したほうがいいわよ。
私:漢字は表記文字である証拠は、高山市たかやまし・高山病こうざんびょう、の対語から明らか。高山祭を、こうざんさい、と読む人はいない。高山病を、たかやまびょう、と読む人もいない。こうざんびょう、これが表音文字である証拠は、高山病・鉱山病、このどちらにもあてはまるから。
君:漢字は表意文字の事もあるのじゃないかしら。
私:そう。戦艦大和(やまと)は表意表現だね。日本国という意味を表している。(だいわ)大和証券は表記文字でしょ。ただし(だいわ)大和にも特定の意味があって、大いに調和する事。然も易経・乾卦からとられた言葉なので、ここまで知ってしまうと(だいわ)大和も表意文字かな、という気持ちになるね。
君:音読みは表記、訓読みは表意、という短絡思考に陥ってもいけないという事かしらね。
私:大和(やまと)の文字の誕生は倭国だから和国、だけどそれだけじゃ面白くない・僕たち偉大な国なんだぜ、のノリで「大」の接頭辞を冠して、古来からあった「ヤマト」の音韻に「大和」の当て字を使った瞬間に表意の表現となったのでしょう。
君:表記文字と表意文字の区別は多聞に恣意的なようね。
私:そう。文部省もその辺りを嫌って、というご判断なのかな。表意文字の定義として、意味が問題であって読み方は自由、というのがある。この観点からは大和(やまと)・(だいわ)大和は表記文字です。読みが変われば意味がかわるのだから。どやっ!
君:数字 numbers、顔文字 emotion、文字情報の無いラインスタンプ pictogram、これらは表意文字で決まりね。どやな! 表記か表意か、言語学に興味のある学生さんだけが学べばよい、たったそれだけの事のようね。
ほほほ