大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

熟字訓、難読地名の本質

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私:飛騨方言をあれこれ考えるという事は古代語ロマンという事に尽きるが、地名について語源を考える時も同じ気持ちになるね。
君:まずは「飛騨」という地名ね。
私:これは後世の当て字で、古くは、というか、律令制にて諸国を漢字二文字で表記する事と定められて、ヒダと呼ばれていた国が「斐太」の表記と定められたから。「斐」にも「太」にも共にさしたる意味は無い。比太の漢字をあてる文献も散見されるが、「斐太」が正式。
君:じゃあ、「ひだ」の音韻の語源は何なのかしら。
私:不明と言わざるを得ない。飛騨は山の国だから山襞(やまひだ)からきたのでは、というまことしやかな説がある。
君:「斐太」は難読地名と考えてもよさそうね。
私:そもそもが「やまと大和」が難読地名。音なのか訓なのかという質問が有れば、迷う事なく訓と答えるべきでしょう。このように和語(倭語)に対して、つまりは漢字表記がなかった時代の音韻の世界の日本語に輸入語たる漢字を当てはめて、表意語表記する事を「熟字訓」という。読み方を知らないと、そもそもが読むことができないという意味で、つまりは難読地名の問題は国語学的には熟字訓の問題ととらえる事が出来る。
君:ほほほ、要するにキラキラネームの事ね。「宇宙」と書いて「こすも」と呼ばせるとか。
私:その通り。とかくやり玉に挙げられる事が多いキラキラネームだが、実は日本語の歴史そのもの。地名や苗字など固有名詞に多いね。日本語の歴史を知らないお方にはキラキラネームを批判する権利はありません。
君:キラキラネームの大半は語源探求としてはお手上げね。
私:そんな事はない。そこをなんとか謎解きしようというところに難読地名の語源発見の醍醐味がある。「こすも」は英語の知識。
君:飛騨の地名の具体例がいいわよ。
私:「かおれだけ川上岳」なんかどうかな。
君:上呂の川上にあるわね。
私:なぜ「かわかみだけ・かわうえだけ」にならないのだろう。
君:誰にもわからない、というのが答えね。
私:その通りだが、「かは川」+「うれ」が語源じゃないかな。麓近くの地名「さこれ坂上」は「さか坂」+「うれ」が語源じゃないのかな。
君:つまりは「うれ末」、先端の意味ね。万葉集にあるわよ。 ほほほ

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